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October 12, 2005

「謝恩価格本フェア」開催 バーゲンブックフェアと書籍の再販制度

今日10月12日から12月12日までの2ヶ月間にわたり、出版社82社の共同企画として「バーゲンブックフェア」が開催される。これは通常の定価から期間限定で割り引いた謝恩価格を時限的に行うもので、価格は定価の50%となる。フェア開催後は通常の価格に戻るということで、小生のような一読者にとっては欲しい本が見つかれば非常にお得だ。

「バーゲンブック.jp」(でググってみてください。)

この謝恩価格本とは一体何か?これは出版社それぞれが決める特定書籍の定価拘束を一時的に外すもので、期間が過ぎれば再び再販制度に則り定価販売となる。また、新刊発売時から小売価格を拘束しない書籍を「部分再販品」というらしいが、今回は一部この部分再販品も扱うとのこと。
参加出版社のサイトをみると、謝恩価格本の販売を独自に行っているところもあり、その割引率はある本では70%などとなっていて上記のサイトより安かったりする(場合もあるようだ。だが確かめた訳ではない。)

さて、この謝恩価格本は出版社でどのように決められるのだろうか。小生は出版人でも書店主でもない単なる一神保町散策人なので内部事情はよく分からないが、やはり売れ筋ではなく、返本されがちな本が選ばれるのではないかと勘繰ってしまう。これはその本の価値が低いということでは決してない。それを求める人にとってはまさに重要なものに違いないのだが、ここでいうその基準とは返本、断裁廃棄といういわば企業コストとしての歩留まりとしての視点に立ったときのそれだ。しかし個人的にはサイトをみると興味深い本が多くあってなんとも言えないが。

面白いのは、同じ本を、この期間中に店頭で買った場合は定価のままであるということだ。つまり、このバーゲンフェアはネットで購入した場合にのみ適用されるらしいということで、これを知らない人が書店で買うと「機会損失」するということになる。店頭での割引販売というのは再販制度を考えるとき畏れ多い不可侵の聖域という訳なのだろうか。

先日このblogでも扱った神保町、北沢書店1階に開店した「ブックハウス神保町」はこの謝恩価格本を店頭で扱うという。これについては業界内で議論があるようだが、小生としては再販制度に対する一石を投じたという意味で非常に意義深いことだと思う。無責任な言い方をすれば出版社も書店も、自らの判断で謝恩価格をしたいときに実施すれば結果的に業界の活性化に繋がると思う。これは再販制度の意義を汲んで敢えて言ってみたのだが。

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    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
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    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

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    寺山 修司・森山大道
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    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

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    川内 倫子
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    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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