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October 23, 2005

子供の復讐譚 / 『地獄少女』と『魔太郎がくる!』

この間新聞で知った東京MXテレビで放映中の「地獄少女」は、インターネットで恨みの依頼をすると憎い相手を復讐することが出来るという内容のアニメーションだ。そのサイトは午前0時にしかアクセス出来ず、依頼を受けると閻魔あいという少女が依頼者に代わって復讐を代行するという設定だ。子供版の「必殺仕置人」などという前評判もあったようだが、これで連想されるのは、つい先日起こった実際の事件だろう。記憶に新しいその事件とは、復讐代行のサイトで依頼をした女性がお金を振り込んでも一向に復讐がなされず、詐欺と思い至って警察に通報したという仰天するようなものだった。復讐を依頼しながら警察に通報するというこの脳天気さ。どこかで頭の回路が狂っているとしか思えない事件で世間をにぎわした。この事件はまるで「地獄少女」のプロットと同じではないかと興味深く感じた。ただし決定的に異なるのは、それが子供か大人かの違いということだ。復讐を依頼するなどといういかにも子供っぽいマンガのモチーフになるようなことを大の大人が真面目にするというのは何とも滑稽でそら恐ろしい話だ。
「地獄少女」ではその復讐が行われるには、まず復讐される側にされるだけの「罪」があり依頼者には「義」があること、また、依頼者自身も復讐という行為によって地獄に行かなければならないことを事前に承諾する必要があること、いわば「人を呪わば穴二つ」という古来のモラルで倫理的歯止めにしてはいる。そして復讐されるターゲットは子供に対して理不尽な強権をもつ「大人たち」なのである。

この子供が悪い大人に復讐するというプロットは、子供がおそらく常に抱いている社会的ストレスを物語によって解放するということだろうと想像するが、そう思うとなかなか面白いテーマだ。

子供の復讐譚という意味では、藤子不二雄(A)の「魔太郎がくる!」というマンガは小生も小学生のころ良く読んでいた。内向的なイジメられっ子が超自然的な力で復讐するという話で、毎回名セリフ「コノウラミハラサデオクベキカ!」というフレーズで、単純な勧善懲悪ではなくあくまで公の義をもたない個人的な恨みが言葉通り晴らされて行くのだった。社会現象となる前にも既に存在していたイジメというどこにそのやり場を持っていって良いか分からない気分の解消装置として多分、子供達の間で機能していたのだろう。

子供は前向きな話よりこういった話に興味を惹かれるものだ。人知れず抱える子供達のストレスが垣間見えて興味深い。「地獄少女」は「なかよし」で隔月連載中とのことだ。しかし、なかよしとは懐かしすぎる。

「地獄通信」 地獄少女オフィシャルサイト

地獄少女 2007年カレンダー


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  • Gangs of Kabukicho.
    渡辺克巳

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    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
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    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

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    寺山 修司・森山大道
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    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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