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September 02, 2005

大型書店の盛衰 / 京都丸善閉店とジュンク堂河原町進出

京都河原町蛸薬師の老舗、あの梶井基次郎「檸檬」の舞台となった京都丸善が今月2005年9月末で閉店するというニュースを聞き、以前京都に住んでいた頃に足繁く通い詰めた身としては驚きを禁じ得なかった。

京都丸善は明治40年に三条麩屋町に開業し、大東亜戦争前夜の昭和15年に同地に移転した。
93年には今のビルに改築したのだが、その時は随分今までの雰囲気が変わってしまったなと思ったものだ。実は建て替え前の方が、あたかも知の密林に彷徨うような錯覚が心地よく好きだったのだが。
京都のアカデミズムを象徴する丸善らしく、梅原猛、浅田彰などをたびたび見掛けたりした。
以前のエントリで大型書店化で街の書店が消えてゆく危惧について書いたのだが、如何に大型書店とはいえ、書籍離れの波からは逃れられないのだろうか。

一方、このあいだ新宿のしかも紀伊国屋の真ん前に出店して話題となったジュンク堂が、なんとこの閉店する京都丸善の至近、京都BALビルに新たに進出するという。この距離、およそ徒歩3分だ。10月8日にまずは洋書と医学書売場を先行オープン、その後ビルの5階から8階まで、売り場面積にして3500平米の大型店舗を来年2月末に開店するという。
しかし同様の売場面積を持つJR京都駅前のお東さん近く、近鉄百貨店内の旭屋書店も2007年に閉店の予定なのだ。
これは大型書店の淘汰が始まっているということなのだろうか。
ジュンク堂は同じ京都では四条烏丸にビル1棟を既に持っている。新店舗との距離は徒歩でたったの15分ほどなのだ。ジュンク堂のアグレッシブな出店戦略と対照的に経営効率から店舗を統廃合する丸善。書店経営の方向性の違い、利益の成否が如実に浮き彫りになったかたちだ。

京都市内の過去15年ほどの間に駸々堂やオーム社書店、京都書院などが相次いで閉店したが、まさか丸善までがその列に連なるとは。どれも個性的な書店ばかりだった。

京都は学生街でもあり、古書店も多く単に観光だけで歩くにはもったいない街だ。個人的には古書店なら赤尾照文堂、寺町仏光寺の三密堂、三条寺町本能寺近くの其中堂にはよく通った。三密堂は占術関連、其中堂は京都らしく仏教書の専門古書店で以前、国訳一切経の八十華厳を買った思い出がある。
ユニークな北白川のガケ書房寺町二条の三月書房恵文社一乗寺店などはサブカル系、ミニコミを多く置いており京都に行くなら絶対に外せない書店だ。

京都に観光に行くときには古書店や新刊書店の棚を眺めるのも楽しいのではないだろうか。

月球儀通信 関連エントリ
- 新宿東口/書店戦争勃発?
- 書店の棚 / 青山ブックセンター営業再開
- 書店の行方~書籍流通の未来

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Comments

丸善というと、上京した最初に叔父さんが連れて行ってくれて、ぼくは高田博厚の「分水嶺」を買った日本橋丸善と、その丸善の火事を書いた内田魯庵の文章を思い出します。
京都から書店が減るのは、なんかさびしいですね。

内田魯庵といえば丸善ですね。日本橋の丸善はいま立て替え中で、本店が丸の内に移りましたが、実はまだ行ってません。日本橋に本店があったときには昼飯によく屋上レストランでハヤシライスを食べたものです。洋書もいまはネットで安くしかも早く買えるので、なかなか厳しいのではないでしょうか。

ぼくは早大生協でバイトしてたことがあって、あれはまだ早大生協が学内にあった頃のことですが、洋書の注文をいただいても届くまでが長かったですねぇ。。。
半年くらい当たり前じゃなかったかなぁ。。

しかも1ドル=360円みたいなレートとしか思えないような値段でね・・・この間amazonに頼んだ本は3日で届いたし、現地価格でしかも20%引きだったです。これじゃ成り立たないですよね。

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