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5 posts from December 2004

December 31, 2004

花輪和一 / 『刑務所の前 第2集』

ふと胸騒ぎがして書泉グランデのコミックコーナーに寄ってみると、「刑務所の前」の第2集が平積みになっているのを発見してすかさず購入した。しかし第1集が出てから既に2年も経っているこの遅筆ぶり。この間の原リョウもそうだが、どうも遅筆ということがそれだけで有り難みを倍加させているような部分もあるかも。でもどちらも作品として充分面白いので余計なことは言わないが良し。
以前からの花輪ファンならばおそらく信じ難いことに映画にまでなった「刑務所の中」のサイドストーリーの体裁を採ってはいるが、そこは花輪らしく中世の鉄砲鍛冶の娘を主人公にした話とが入れ子のように同時並行するという不可思議さだ。読み進むにつれ話の流れがおぼろにイメージ出来てくるような気がする。この話のモチーフである、親の業を償うために修行する若い女とはどうも花輪本人にオーバーラップされているようなのだ。今年出版された「不成仏霊童女」のあとがきでも伺えるが、花輪の母親への憎しみの念は尋常でないからだ。これを考えると単なる刑務所エンタテインメントではなく実はかなり深いマンガなのではないかと思ってしまう。でも2年は長いよな・・・。

December 21, 2004

近々サーバ移転します

取材出張で久々のエントリ。ココログの仕様変更で、ファイルのアップロードがエントリ作成中にしか出来なくなった。いろいろやってみた挙げ句判ったのは、どうもベーシックでの独自デザインをcssファイルのアップロードで定義する方法は不可能になったらしいということだった。つまりこの仕様変更で有料のココログプロに乗り換えさせようという意図なのだろう。
そうと解れば長居は無用だ。
おかげでいつか実行しようと思いつつ捨ておいていたサーバの移行に気が向いてきた。
ただ、MTにするかXOOPSにするかを思案中である。
もしかするとこの回避方法を誰かが発見しているかもしれないが、遅かれ早かれ移行することになるのであればなるべく早く済ませたいところだ。

December 06, 2004

Photo Poche / ポケットサイズの写真叢書

Photo Poche No,20/William Klein Photo poche No,20 William Klein
購入してから既に20年経過
















最近書店であまり見かけなくなったが、以前は写真の棚によくおいてあったものだ。フランスのCentre National de la Photographieの出版になる写真全集で黒い表紙が目印。100冊近く出ていたのではないだろうか。著名な写真家の代表作やテーマを1冊に纏めたもので、A6判ほどのミニサイズだ。価格も手頃なので、写真作家の全体像を把握するには非常に重宝する。多分、今も新刊であるはず。このクライン(写真)は今はなき銀座のイエナ書房で購入。シリーズはN0,1のナダールで始まり、ブレッソン、ラルティーグと続く。(ここで大貫妙子の「ムッシュ アンリ・ラルティーグ~」という歌を唐突に思い出した・・・)
巻頭に作家紹介、巻末に略歴、出版物と参考書籍、そして主な展覧会履歴がまとまっている(仏語)。

December 05, 2004

ソフィア・コッポラ / 『ロスト・イン・トランスレーション』

CM撮影のために来日したが時差や馴れない東京での滞在と同時に家庭への倦怠で疲れた中年のハリウッド俳優(ビル・マーレイ)と夫の仕事については来たものの新婚の不安と夫の留守で時間を持て余す若妻(スカーレット・ヨハンソン)のほのかな心の交流を描く佳作。
ビル・マーレイの疲れた中年の演技がなかなか良く、時折まだ20歳の若さが表情にのぞくヨハンセンもいかにもフツウっぽくて魅力的だ。立場は違うが異国で宙ぶらりんになっているもの同士がほのかな恋にも似た感情で滞在の2,3日を擦過する。このホンでソフィア・コッポラはアカデミー賞オリジナル脚本賞を獲得しているが、それが賞に見合ったものかどうかは別にしても、粋な佳作となっていると思う。おそらく衝撃的でセンセーショナルなアクションをハリウッドに期待する向きからは一顧だにされないかもしれないが、この「間」を理解するにはある程度の年齢が必要なのだよ。別れ際のビルの笑顔がこれまたイイ。しかもそのシーンは私が西新宿のいつもショウモナイものを買いに行くあの通りでだ。

東京が舞台となっていることで一時話題になったが、この手の日本を舞台にした映画でよく語られる日本人による映画評は、おおむね外人、ことに西洋人から見た東京がどのように描かれているかに集中しがちだ。これは無理もないとは思うが、そういう視点を抜きにして映画そのもののメッセージを受け取りたいといつも思っている。カリカチュアライズされた日本人像をそのまま受け取る人も無いだろうし、それほど西洋人の目が気になるのは自意識過剰というものだ。しかし、一方で変なオリエンタリズムに辟易する自分もいることは確かだが。
例えば、YahooアメリカでのUser Reviewで人種差別だとの書き込みがあり驚いたのだが、日本のYahooでも似たような書き込みがあってさらに吃驚した。アホなテレビ番組出演シーン(ご存じマシュー南=藤井隆)やLとRの発音の区別が出来ない日本人のコミカルなシーンをそれらは指しているのだろうか。しかしそれは全くズレた見方と言うほかない。同様のシーンは注意深くみればハリウッド映画の至る所に存在している。これは例えばアメリカ人が自国アメリカを描くシーンですら共通する場面はいくらでもある。ニュートラルなものの見方というものは厳密には存在しないのだ。その部分をこそ表現の豊さとして享受したい。その方が楽しいじゃない。

私的には動くHIROMIX(動くというのもなんだが・・・)が見られたことと、はっぴいえんどの「風をあつめて」でさらに1ポイントボーナスだ。2003年、102分。

December 01, 2004

渡辺克巳 / 『新宿群盗伝伝』(ヤゲンブラ選書) 

ルポルタージュ書の晩聲社より70年代後半から80年代初頭にかけて出版された「ヤゲンブラ選書」はカウンターカルチャーに根ざした個人ベースのドキュメントで知られるが、サイトを確認するといまだに在庫があって販売を続けていることが分かり少々吃驚した。80年代中盤、まだ学生の頃に写真に興味を持ちだしてから、カメラ毎日編集長で後に評論家となった西井一夫の著作だったか、渡辺克巳の存在を知り、ヤゲンブラ選書「新宿群盗伝伝」(晩聲社、82年)に巡り会った。渡辺についてはあまり資料が見つからず、この自伝がほとんど唯一の寄る辺であるが、新潮社のフォトミュゼ「新宿 1965‐97」やワイズ出版写真叢書「Hot Dog―新宿1999-2000」が今でも入手できる写真集だろう。
渡辺は故郷盛岡から上京し、上野の東条会館写真部に勤めるも三年で退社、以後26歳で新宿の夜を流すフリーランスとなる。その商売とは、新宿に息づく人々からポートレートの撮影を請け負い、現像して翌日に手渡すという「流しの写真家」なのである。その値段、モノクロ手札判3枚で200円だ。この「流しの写真家」という商売には実は渡辺以前にその先達が存在していた。渡辺が先輩と呼び、自分も新宿を流したいとあこがれた人物だ。東条会館に勤めたのもこの先輩の助言からだった。この先輩がどのような人物だったかは名前も含めて明らかにされていない。しかし、渡辺が流し始めたころ、客から「やっぱりおめえの先生のほうがうまいな、これじゃダメだ。」と叱られ、「おめえか、新しい写真屋は。」(「新宿群盗伝伝」p77、82年)といわれているのは、渡辺以前から新宿にはこのようなスタイルの写真家が存在し認知されていたことを伺わせる。これは都市のフォークロアとしても非常に興味深い。
次第に受け入れられてくると依頼も増える。渡辺の写真には、エネルギッシュで猥雑で汚いがどこか暖かい「偉大な子宮のような」(同、p131)新宿の人々の飾りのない姿が躍動している。他者からの視点=うわべだけのドキュメントでは決して見られない、夜の人々のこころを開いた表情は、インサイダーとしての渡辺でなければ撮れないものだ。
なお、「新宿群盗伝伝」というタイトルは、処女写真集「新宿群盗伝」(薔薇画報社、73年)から採られている。

4106024306新宿 1965‐97―娼婦、ヤクザ、オカマ、ヌード嬢…彼らが「流しの写真屋」の客だった
渡辺 克巳
新潮社 1997-11

by G-Tools

- HotDog―新宿1999‐2000 渡辺克巳写真集 (ワイズ出版、写真叢書、2001年)

- ディスコロジ-(晩聲社 1996)
ディスコロジ-

Gangs of Kabukicho.
Gangs of Kabukicho.


【訃報】
2006年1月29日 路上の写真家、渡辺克巳が肺炎のため永眠との報。
ご冥福をお祈り致します。 
「月球儀通信」管理人azusayumi拝

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  • Gangs of Kabukicho.
    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
    4106024330
    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
    4106024187
    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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