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August 28, 2004

書店の棚 / 青山ブックセンター営業再開

7月16日の破産申し立てより1ヶ月余、経営再建中だった青山ブックセンター=ABCだが、これまで支援してきた洋販=日本洋書販売が青山店と六本木店の営業を再開するという。再startは9月29日だ。それに先立ち、六本木店で「青山ブックセンター再開支援フェア」を8月30日から9月11日まで開催する模様。店名も変わらず、社員も引き継ぐとのことなので、いままでのテイストは変わらないだろうと思いたい。一方、新宿店と新宿ルミネ2店の2店舗についてはABCとしては閉店のようだ。この後にはブックファーストになるらしい。これは単に空いたテナント跡地にブックファーストが新たに入るということなのでABC再建とは関係がない。新宿を常時擦過する私としては、ブックファーストには悪いが、新宿店も洋販さんに頑張って欲しかった。
もしやと思ってABCのサイトをみたが、当たり前だが404 Forbiddenのまま。このサイトは実際の店舗と変わらず、眺めるだけでインスパイアされるような、あたかも「美術書カタログ」の趣があった。再建に当たっては是非ともサイトの復活も望みたい。ABCは写真関連の書籍も充実しており閉店の報にはがっくりきたものだった。LOMOのムーブメントもチェックできて佇むだけで楽しかった。
このようなコンセプチュアルな品揃え、思想が明確な書店というものが日本には少なすぎる。例えば、当通信社のある神保町を例に取ると、新刊書店においてはすずらん通りに面する東京堂書店の棚には思想がある。大型書店のように新刊を単にISBN分類で並べるだけではなく、旧刊も取り混ぜテーマを膨らませる「選本」のセンスが重要だと思う。最近は、書店員のオススメなどとというPOPが立つのは当たり前になったものの、やはりその分野の知識と理解の深さが棚に表れるものなのだ。少々オカルトめくが、同じ本を買っても重さや内容が違う気がする(これは言い過ぎ)。買うまでに客が受け取る満足感をどう演出するかがこれからの書店の課題だろう。

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  • Gangs of Kabukicho.
    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
    4106024330
    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
    4106024187
    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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