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June 13, 2004

ミニコミスト! 第1号 『愛情通信』

「愛情通信」に出会ったのは中野のサブカル系書店タコシェだった。入り口すぐの右手にフリーペーパーの棚がある。いつもここでアップリンクの月間スケジュールをもらっていたのだが、ふと目を遣るとこの冊子がひっそりと積まれていた。

aijotsushin.jpgフリーなものはまずもらう主義の私はためらうことなくバッグに入れて、2,3冊の本を買い、喫茶ルノアールのノケゾルような椅子に座って読み始めた。サービスのお茶が出る頃(ルノアールはなにを頼んでも最後にはお茶だ。むしろ無料のお茶だけじゃダメか。関係ないか・・・)にはすっかり気に入ってしまった。発行人は20代の女性だが、この押しすぎない笑いのセンスが丁度良い湯加減なのだ。手にしたのは12号だったが、調べてみると1~10号までを纏めた「愛情通信全集1」が発売されていることを発見し購入してみた。発行人の解説によると、もともと芝居の出演者募集のためのミニコミ風チラシが発端らしい。たしかに愛情通信にもある種の芝居テイストがなくもない。1号の素朴さから号を重ねるに連れ洗練されてくるのがよく分かるのも楽しめる。pokan.JPG

発行人の語り口はイマドキの女性らしくなく少々奥ゆかしいようでいて実はなにかブッ壊れそうな(失礼)気配を必死でフォーマルに取り繕っているような感覚をおそらく意図的に出している。これは厄年から来る私の勘違いだろうか。少なくとも書き出しだけは。
しかしこの書き出しも終いには予想通り壊れてゆく狙い加減が笑いを誘う。発行人だけの微妙な「大流行」つまりマイブームも編み物の広瀬光治だったりローカルなロックシンガーだったりするが、次の瞬間にはもう笑いの対象として突き放してしまうような毒がある。これは間違いなくミニコミしか出来ないテイストだし、図版のコラージュ、テーマなどいかにもミニコミらしい自由奔放さが小気味いい。実は先日、タコシェのサイトでこの「愛情通信全集1」を「おすすめ」としてかなり褒めていた。あの日本一サブカルを「分かっている」タコシェが褒めまくっているのをみて、ひそかに注目していただけの単なる一読者で、なんの関係もない私が何故かうれしかった。(勝手にうれしがるなって?!) できれば発行人は私の記事など読まずに勝手気ままに創る楽しさだけを追求して欲しい気がする。

ミニコミ文化(などという言葉があれば)はそれを創るミニコミストとともに、常にメインストリームの傍らを流れているものだ。ともすればその存在にすら気づかず資料も残らないことになりかねない。だからこそ自分の身の丈に触れる狭い範囲であれ書き留めておきたい。ミニコミも調べてみると結構奥深いものがあるようだ。

(右の写真;「愛情通信全集1」付録の「ポカン猫カンバッジ」を愛用の吉田カバン製トートバッグに付けてみました。)

ミニコミ「愛情通信」サイト 愛情通信網
ちなみにこのサイトの日記も面白い。■


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Comments

はじめまして。月球儀通信さんをブックマークしている者です。いつも楽しみに読ませていただいております。
「タコシェ」「ミニコミ」に反応してしまいました。(今は日本に住んでいないのでタコシェさんには専ら通販をお願いしている身です。)
いつぞやのダヴィンチ誌上にて北尾氏のミニコミ作りを記憶しておりますが、あのコチャコチャとした中に筆者の嗜好性と地域性が詰まっている読み物を今すぐ読みたくなり、いきなりホームシックに・・・・。

ISさん、海外からはるばるアクセスありがとうございます。
北尾トロさんのミニコミとは「廃本研究」のことでしょうか。ダヴィンチ誌、未見なので是非見てみたいです。タコシェとミニコミで反応されるとはお互い人ごととは思えない業の深さですね!
これからミニコミを順次採り上げて行きたいと思ってますので、ヒッソリ盛り上がりましょう!今後もいろいろと教えて下さるとうれしいです。それでは、更新頻度の遅いサイトですが遊んでいって下さいませ。

トロさんのミニコミが「廃本研究」であったかは忘れてしまったのですが、ダヴィンチ誌上では確か「杉並北尾堂」の頃だったと思います。先ほど温存していた2年分のダヴィンチを漁ってみたのですが探し出せませんで、たぶん2002年か2001年くらいの企画だと思います。
愛情さんのサイトに行って日記を全て読みましたが、azusayumiさんのおっしゃってた『・・・・実はなにかブッ壊れそうな(失礼)気配を必死でフォーマルに取り繕っているような感覚を・・・』の辺りが、よーく理解できました。(笑)
ところで、神保町は三省堂地下の『放心亭』は健在でしょうか。『さぼうる』とか『古瀬戸』がなつかしい!(遠吠え)

かすかに海を渡ってお声が聞こえたような気がしておりました(笑)。 愛情通信、なかなかイイですよね。イチ押しのお気に入りです。
「放心亭」はまだ健在ですよ。「ローターオクセン」から「放心亭」に代わってからは実は行ってないのですが。ビールならば私は専ら「ランチョン」派です。「さぼうる」はご主人もお元気で、不思議と読書に集中出来る店ですよね。「古瀬戸」はいま城戸真亜子の壁画を描き換え中です。食事メニューもヒソカに増えてたりしてます。
思い違いでなければ、杉並北尾堂のサイトで少し書かれていた記事がそうなのでしょうか。いまミニコミ収集を続けているところです。それでは!

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    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
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    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


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