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June 05, 2004

ミニコミスト! 第0号

書店で何気なく棚を眺めていたとき、ふと手に取ったのがあるフリーペーパーだった。
それまでこの手のフリーペーパーというものは読んだことがなく、商業ベースに近い無料誌というジャンルを含めたいわゆるミニコミというメディアについても、その存在をこそ知ってはいたものの取り立てて関心を持っていたわけではなかった。しかしこのミニ雑誌に出会ってから、ミニコミあるいは場合によっては無料で配られるフリーペーパーというものが、実は自己表現の手段として一つの独立したメディアであることに気づかされた。

そう分かった途端、周りを見回してみるとおびただしい個人誌が目の前に広がっていた。関心がないということは、そのもの自体が見えないということだ。しかし気づくことで突然別の地平が目の前に広がることがある。

今は昔と違ってWEBという便利な手段がある。個人が情報発信をするのならば手間も費用もかからない。しかも言葉の問題をおけば全世界に発信可能だ。それでいてあえて印刷機を動かし、たとえ少部数でも雑誌を作ろうとするのは何故なのだろうか。こう考えて出してからというもの、特に個人発行のフリーペーパーを中心にフライヤーに近いものも含めて集め始めた。そのなかから、気に留まったものをこれから少しづつまとめてみようかと思う。

これらは単に眺めているだけで楽しい。売り上げや採算からは全くフリーな立場で発行者が自ら楽しんで創っているものが読者にも楽しくないわけがない。内容は個人の周辺に取材したものから音楽など特定の趣味のテーマを持つものなど多彩だ。ただし文学誌や漫画などの同人誌は対象から外した。これらは既に確立されたジャンルでその目的も明確なためだ。あくまでなにかを自己表現しようとする個人=「ミニコミスト」の創るものが面白くて刺激的なのだ。

特に目的があるわけではないが、そうすることで図らずもなにかが見えてくるとすればそれはそれで面白いのではないかと思う。次回から1誌づつ「コレクション」してみたい。

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    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
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    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

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    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

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    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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