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June 20, 2004

ミニコミスト! 第2号 『Juicy Fruits』

ミニコミも既にミニコミの範疇を外れてミニ・マスコミとでもいうようなものもなかにはある。最近は名を知られたクリエイターなどが商業ベースから離れた個人での表現手段としてミニコミを発刊する、いわば「逆流」現象もあるようだ。例えば、イラストレーターの大橋歩が発行する「Arne」などがある。先日、神保町の大型書店で手に取ってみたが、とにかくこれはプロの仕事なので個人誌といっても本格的なものだ。しかし、イラストはもちろん、取材、写真撮影、記事執筆そして流通までをすべて大橋個人で行っているとのことで、これはやはりミニコミが商業主義から離れたところに存在するという、いわばマスコミへのカウンターとして定義されるのであればまさしくミニコミには違いない。

juicyfruits.jpgしかし一方、第1号の『愛情通信』や今号の『Juicy Fruits』などは同じミニコミとはいえ個人の「手作り感」に溢れていてプロの仕事にはない良さがある。しかしこういった個人誌では特に流通経路の乏しさが問題だ。個人では開拓しようにも限りがあり、値付けがされないフリーのミニコミではなおさらだ。かくして常に入手が困難となる。勝手を言えば入手困難なところに惹かれる部分も正直在るが。そこでこのようなミニコミのほとんどはウェブサイトを並行するという手段で補っているようだ。

さて、枕が長くなったが、『Juicy Fruits』は発行者の今日マチ子さんが芸大の学生のころから発行しつづけるフリーペーパーだ。文字やイラストはすべて手書きでA5判1枚のコピーに纏めたフライヤーに近い形式だ。驚くべきはその発行数だ。既に昨年末までに170号が発行されている。2000年10月が創刊というから、約3年で計算すれば単純計算で月当たり4.7号の発行となる(いま電卓で計算した)。なんと「週刊以上」なのだ。創刊から3号以上続かないケースが多いミニコミ界にあって(三日坊主ならぬ3号雑誌といわれるが)この継続と発行頻度を支える原動力とは一体何か。これだけで舌を巻きシッポを巻くのである。もういろんなところを巻いちゃうのである。

しかし、内容は毎回面白い。今日マチ子さんこと大竹美緒さんは、その後雑誌の仕事も持つプロで活躍されているとのことだが、今なお等身大の女の子の視点がユニークで可愛らしい。何より楽しんで制作している気持ちが伝わってくるのは個人のフリーペーパーならではのテイストだ。美術家として世に出るためにもこのミニコミの継続力が役立ったのではないだろうか。
なお、すべてのバックナンバーがサイト「Juicy Fruits」で見られるのはうれしい。


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Comments

紹介していただき、ありがとうございました!
自分のやっていることがミニコミと呼ばれていると知ったのは、始めて半年くらい経ってからです。
漫画とかグッズもまじっているので、一概にミニコミです!と断言はできないのですが。
これからも応援していただければ嬉しいです。
エキサイトブックスでも紹介されました。
http://media.excite.co.jp/book/news/topics/076/

miootkさん、コメント有り難うございます!いつも楽しく読ませて頂いております。ご本人から直々にコメントを頂けるなんて、こんな嬉しいことはありません!
ミニコミの定義もなかなか難しいようですが、一口で括れないという点がまさしくミニコミたる所以かも知れませんね。ただJuicy Fruitsはミニコミというより、その圧倒的な継続性・物量も含めて既にコンセプチュアルアートの気配が濃い感じがします。

サーバ、大変なことになってますね!?リンクは復旧してからのほうが良いでしょうか? それではまた、遊びにお越し下さい!

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