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April 25, 2004

『銀と金』 / 福本伸行

いまさらといわれるかも知れないが、福本伸行のマンガ「銀と金」がおもしろい。
コンビニのマンガコーナーで月1回程度の間隔で再刊されているのが待ち遠しくて出ているとすぐに買うのだが、忘れるとすぐに無くなってしまうので気が抜けない。分類すればギャンブルマンガということになるのだろうが、そうとも簡単に言えないところが深い。主人公の若者森田鉄雄が闇世界の大物である平井銀二に見いだされ、場数を踏んで成長するという物語だ。
これがおもしろい。画商との真贋勝負、金持ちのドラ息子が仕掛けるイカサマポーカー、大企業オーナーの後継ぎにからむ格闘などのエピソードは単なるギャンブルやアクションではなく、共通して人間の欲望と駆け引きの根元的な機微をテーマとしているらしい。
一昨日の朝、コンビニで新刊を見つけ購入して待ちきれずに通勤電車で読んだ。私の周囲で日経を読む殿方からは、おそらくいい歳をして朝からマンガを読むとは、こいつ会社でロクな仕事をしてないんだろうな、とでも言いたげな冷たい視線を痛いほど感じた訳だが(自意識過剰?)、実はそれがちょっと快感だったりして。
未読の方は騙されたと思って一度読んでみてください。たしかどこかで呉智英が絶賛していた記憶もあります。

しかし、ロクな仕事をしていない、というのはおっしゃるとおりで面目ありません。

【追記:23,May,2004】 新刊がまたコンビニの棚に並びましたね。早速購入。森田鉄雄は前回の死闘で懲り足を洗うと宣言。今回は大物政治家と平井銀二が300億を賭けて「競馬」で勝負です。・・・この作品は確か未完だったと思うのですが、どこまで話が進むのでしょうか?

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  • Gangs of Kabukicho.
    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
    4106024330
    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
    4106024187
    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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