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April 08, 2004

土門拳賞作家 『鬼海弘雄』 補遺

以前、鬼海弘雄の土門拳賞受賞に関する感想ともつかないものをこのblogで書いたが、少々気になり導かれるように本棚を探してみると、果たして福武書店(現ベネッセ)発行の「PHOTO JAPON」誌、1986年8月号に鬼海の作品が特集されていた。

その後、写真集「王たちの肖像」から「PERSONA」に結実する浅草寺境内のポートレートが「日本人の肖像」と題した9葉の写真として掲載されている。ちなみに、同号には橋口譲二「光の模様-シリーズ動物園」の連載第8回、稲越功一「summer's memory」、伊藤俊治や飯沢耕太郎の評論がみえる。

巻頭の作者紹介欄には鬼海の写真とともに、法政大学の哲学科で哲学者の福田定良に師事し、福田から紹介された元カメラ毎日編集長だった山岸章二(ともに物故)から「写真家になりなさい」と勧められたとある。

このなかで鬼海は、このポートレートを撮影するにあたって、

一番気を遣ったのは、良しきにつけ悪しきにつけ、モデルの目をどう表現するかだった。

と語っている。
たしかにそういわれて改めて作品を観ると、被写体の視線がそれぞれの人格=PERSONAをよく表現しているとおもうのだ。普段、人は他人に対峙するとき意識せずに相手の視線を見ることによってその心の内を推し量っているのだとすれば、鑑賞者が鬼海のポートレートに対峙する時もまた、その撮影の場に立ち会うことに他ならない。それが彼の写真に独特の存在感を与えているのではないかと思うのだ。


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